メタロセン配合とはどういうもの?メタロセン配合されたほうがいいのか?

「メタロセン配合」とは、ポリマーやプラスチックの製造において、メタロセン触媒を使用して製造された樹脂を配合することを指します。メタロセン触媒は、従来の触媒に比べて高い制御性を持ち、より均一な分子構造のポリマーを作り出すことができます。この技術は、プラスチック製品の性能を向上させるために広く利用されています。

このページでは弊社の取り扱っているポリ袋にメタロセン配合が多いため、ポリ袋を中心に説明をさせていただきます

メタロセン配合の特徴

  1. 強度と柔軟性の向上
    メタロセン樹脂は、分子の均一性が高いため、強度と柔軟性を兼ね備えた製品を作りやすいです。
    従来はHDPE(高密度ポリエチレンーシャカシャカタイプ)で強度を強めていましたが、柔らかさがないのでメタロセンを配合した方が柔らかく強くなります)
  2. 透明性の向上
    フィルムや袋などに使用される場合、透明度が高く、見た目が美しい仕上がりになります。
    HDPE(高密度ポリエチレン)は半透明が多く透明度に欠けます
  3. 薄膜化の可能性
    強度が高いため、薄いフィルムでも十分な性能を維持できるため、材料の節約やコストダウンが可能です。
    薄くても丈夫と各社メタロセンを使用するのはこのためです
  4. 加工性の向上
    メタロセン配合の樹脂は溶融特性が優れており、加工がスムーズで、製造効率を高められます。
  5. 環境への配慮
    少ない材料で高性能を発揮するため、資源の使用量を削減することができます。
    これが一番ではないでしょうか?薄くても丈夫、コストが削減できるということです

メタロセンとはどのような触媒でしょうか?

メタロセンとは、金属中心を有する有機化合物の一種で、ポリオレフィン(ポリエチレンやポリプロピレンなど)の製造に使用される高性能な触媒の一つです。特にメタロセン触媒は、その構造の特異性から従来の触媒と比べて高い制御性を持ち、均一で優れたポリマーを製造できることが特徴です。

メタロセンとは(ウキペディアより)

メタロセン: metallocene)とは、シクロペンタジエニルアニオン (C5H5) 2個をη5配位子として有する有機金属化合物の総称である。金属は必ずしも2配位である必要はなく、他の配位子配位していてもよい。代表例としてフェロセンが挙げられる。金属名の語幹に語尾-オセン (-ocene) を添えて命名する。サンドイッチ化合物に含まれる。

良い点と悪い点

メタロセン配合ポリ袋の良い点(メリット)

  1. 高い強度と耐久性(特に引裂き強度・突き刺し強度):
    • M-LLDPEは、分子構造が均一であるため、従来のポリエチレン(LLDPE)に比べて、非常に高い引裂き強度(裂けにくさ)や突き刺し強度(破れにくさ)を持ちます。
    • これにより、同じ厚みでもより丈夫な袋が作れるため、薄肉化が可能になり、コスト削減やプラスチック使用量の削減に繋がります。
  2. 優れた透明性:
    • M-LLDPEは、結晶構造が均一で、不純物が少ないため、非常に高い透明度を持つ袋を作ることができます。(PPの方が透明度はもっと高いです)
    • 内容物を美しく見せたい食品包装や、陳列商品用の袋に最適です。
  3. ヒートシール性(熱融着性)の向上:
    • 低い温度でもしっかりとシール(熱融着)ができるため、シール速度の向上や、ヒートシール不良の低減に貢献します。
    • これにより、生産効率が向上し、エネルギーコストの削減にも繋がる可能性があります。
  4. 加工性の改善:
    • フィルムの引き伸ばし加工(延伸性)が容易になることがあり、より薄いフィルムの製造や、複雑な形状の袋の製造に適しています。

メタロセン配合ポリ袋の悪い点(デメリット)

  1. コストが高い:
    • メタロセン触媒やM-LLDPEの製造プロセスは、従来のチーグラー・ナッタ触媒を用いたものに比べてコストが高い傾向にあります。このため、最終的なポリ袋の価格も高くなる傾向があります。
  2. 加工適性の問題(ブロッキング):
    • M-LLDPEは、その均一な分子構造ゆえに、フィルム同士がくっつきやすい「ブロッキング」という現象が起きやすいことがあります。これにより、袋の開封性が悪くなったり、製造工程でのトラブルの原因となることがあります。
    • これを防ぐために、添加剤の配合や表面処理が必要になる場合があります。
  3. 溶融粘度の制御が難しい場合がある:
    • 均一な分子構造を持つがゆえに、加工時の溶融粘度(溶けたプラスチックの粘り気)の制御が、従来のポリエチレンに比べて特定の用途で難しくなることがあります。これにより、既存の加工設備での調整が必要になる場合があります。
  4. 耐熱性の限界:
    • 一般的なポリエチレンと同様に、M-LLDPEも極端に高い耐熱性を持つわけではありません。高温での使用や、特定のレトルト殺菌などには、より耐熱性の高い素材(PPや多層フィルムなど)を検討する必要があります。

なぜ重要か?

メタロセン技術を活用することで、従来製品よりも高品質で持続可能な製品を提供することが可能になります。そのため、環境問題が注目される中で需要が高まっています

簡単に言えば、普通のポリフィルムにメタロセンのような触媒(助触媒)を使うことで、同じ厚さでも強度を強化することができ、同じ厚さではより強度が増すことになります。それによって使うポリエチレンの量を減らすことができ(厚さが抑えることができるため)コスト面も抑えることができます。

ぶっちゃけ、今使っている袋をメタロセンに変えた方がいい?

現在使っている袋に支障がない場合、あえてメタロセンに変える必要はないと思います。同じ厚さであればその分コストが高くなります。

値段が上がった!薄いのにしようか?

これが一番多い場合です。各社メタロセン配合を販売するのにもこの目的が多いのです。
同じ素材であれば、厚さを薄いものに変えればコストは下がります。しかし、これと同時に強度も落ちます。それで薄さを薄くしメタロセンを配合したものを使えば強度は同じ程度を保てます。

ニコニコ
ニコニコ

しかし、めちゃくちゃ強くなると期待しないでくださいね。
少々強くなる程度です💦薄くすれば強度は落ちますので・・・
同じ厚さと比べれば強いという事と思ってください。

環境のことを考えるとポリ袋は・・・・

最近は再生を使ったり、自然素材由来の材料を使ったりと環境に配慮していますが、使う量を減らせばそれだけ環境に優しくなります。薄くて丈夫なものを選べばその分使うポリエチレンも減りますので環境に貢献すると言えます。

メタロセンを配合したポリ袋の紹介

メタロセンを配合したポリ袋は各社から出ています。
薄くても丈夫!をうたい文句に厚さが薄めの商品が多いです。

20L

ジャパックスTM26
20L青0.02mm
20L黒0.02mm
20L半透明0.02mm
ジャパックス20Lメタロセン
20L透明0.025mm
ジャパックス20Lメタロセン
20L青0.025mm
ジャパックス20L黒メタロセン
20L黒0.025mm

30L

ジャパックスPR33
30L透明0.02mm
ジャパックスPR31
30L青0.02mm
ジャパックスPR32
30L黒0.02mm
ジャパックスTM34
30L半透明0.025mm
ジャパックスTM33
30L透明0.025mm
30L透明0.05mm

45L

ジャパックスTM48
45L透明0.02mm
ジャパックスTM46
45L青0.02mm0.02mm
ジャパックスTM42
45L黒0.02mm
45L透明0.025mm
ジャパックスTM41
45L青0.025mm
ジャパックスTM42
45L黒0.025mm

70L

ジャパックスSM73
70L半透明0.017mm
セイケツネットワークP-70
70L半透明0.02mm
セイケツネットワークP71
70L黒0.02mm
ジャパックスTM73
70L透明0.035mm
ジャパックス70L TM-71
70L青0.035mm
ジャパックスTM72
70L黒0.035mm

90L

ジャパックスSM93
90L半透明0.017mm
ジャパックスGS98B
90Lバイオマス配合0.02mm
ジャパックスTSN90
90L白半透明0.025mm
ジャパックスTM98
90L透明0.03mm
ジャパックスTM99
90L透明0.03mm
ジャパックスTM953
90L透明0.035mm
ジャパックスTM93
90L透明0.04mm
ジャパックスTM92
90L黒0.04mm
ジャパックスTM91
90L青0.04mm
ハウスホールドジャパンMX98
90L透明0.06mm
セイケツネットワークMT-120
120L半透明0.02mm
セイケツネットワークMT123
120L半透明0.025mm

90Lより大きな袋(120L~)

ジャパックスDKM93
120L透明0.03mm
ジャパックスDKM94
120L半透明0.03mm
ジャパックスメガライナーJH1512
メガライナー透明0.05mm

まだほかにメタロセン配合はあります。詳しくはお問い合わせからどうぞ