西川善の「止まれ旗」は45年以上の歴史!手作りから進化した横断旗の裏話

今日は、西川善(株)の密かなロングセラー商品である「止まれ旗(横断旗)についてのお話です。 今でこそ、かっこいい既製品や便利な旗がたくさんありますが、実は西川善では45年以上も前からオリジナルで作り続けているんです。

45年前は塩ビパイプで手作り!?会長の奥様の内職時代

今はいっぱい既製品もありますし、カッコいい停止旗がありますが

止まれ旗のいろいろ

私が西川善に入社したころ、警察署へ納品していた「止まれ旗」は、今とは全く違う姿をしていました。

なんと、塩ビパイプに印刷したものを、むき出しの棒に接着剤で貼り付けていたんです!

塩ビパイプの文字が付いたパイプで旗を接着

これは、当時の警察から「『止まれ』と書いてある旗を作ってほしい」という依頼があって生まれたものだと聞いています。今の社長(カンさん)が入社するよりも前、つまり45年以上も前から作っていたことになりますね。

当時は、今は亡き会長の奥さんが、彦三営業所で座り込んで、何本もの旗を一本一本、手作業で接着剤でつけていました。まさに内職仕事です。

入社したばかりの私は、その旗を見て心の中でこう思っていました。 「この塩ビパイプの文字、なんだかカッコ悪いなぁ……」

でも、当時の会長はそんなことお構いなし。 「こんでいいんや!(これでいいんだ!)」 と、嬉しそうにその旗を振って見せていた姿を、今でも覚えています。

時代の変化とともに「言葉」も変わる

旗に書かれている文字も、時代とともに変わってきました。

1. 筆文字からゴシック体へ

一番最初は、反射材などではなく、赤い生地に筆で描いたような文字で印刷されていました。 それが時代の流れとともに、読みやすいゴシック体へと変わっていきました。

反射印刷ではなく白文字印刷の止まれの文字
止まれ旗ターポリン

2. 「止まれ」から「止まってください」へ

そして、言葉そのものも変化しました。 昔は「止まれ」という命令口調が当たり前でしたが、世の中の流れで「もっと柔らかい表現がいいのでは?」という声が出てきたんですね。

そこで登場したのが、「止まってください」という丁寧な言葉の旗です。 子供たちがドライバーさんにお願いする形になり、優しい気持ちで交通安全を呼びかけられるようになりました。

止まってください旗ターポリン

ちなみに、西川善では日本語だけでなく、外国語の旗も作ることができるんですよ。 以前、カンボジア語で「止まれ旗」をオーダーメイドで作ったこともあります。 その時の記事もぜひ読んでみてくださいね。 👉【製作事例】外国語の「止まれ旗」作れます!カンボジア語で反射する旗をオーダーメイド

重い旗は大変…素材も「ターポリン」から「メッシュ」へ進化

デザインだけでなく、素材も進化しています。

昔の主流だった「ターポリン」という素材は丈夫なのですが、「重い」という欠点がありました。 旗を持つのは主に子供たちや、見守りをするシニアの方々。重い旗を長時間持つのは大変ですね。

そこで、風通しが良くて軽い「メッシュ生地」のものが作られるようになりました。 さらに、持ち手の棒も、昔の重い塩ビパイプから、軽くて持ちやすい素材に変更しました。ターポリンはターポリンで重みがあっていいのですが。

実はこの「棒」についても、 以前は接着していましたが、今は自分で自由に止められる新しい棒も追加されています。 👉止まれ・止まって下さい旗の白い棒が変わりました

止まってください旗メッシュ白棒付き


塩ビのグレーの棒もなんとかシンナーの強力なやつで消すこともできました

塩ビ棒と止まって下さい旗

今はいろいろな種類のものがありますので、使用目的や価格によって選ぶことができます