【ポリ袋のプロが解説】LLDPEとHDPEどっちが高い?コスト削減の裏ワザ教えます!

こんにちは!西川善(株)の「ニコニコばばあ」です。

毎日たくさん使う業務用のポリ袋やゴミ袋。「たかが袋、されど袋」ですよね。 お客様からよくこんなご質問をいただきます。

「LLDPE(低密度ポリ)とHDPE(高密度ポリ)、どっちの袋が高いの?」

昨今はなんでも値上げ、値上げ……。主婦としても、企業の担当者様としても、少しでも経費は抑えたいところですよね。 今日はこの「ポリ袋の価格とコスト削減の秘密」について、ニコニコばばあが調べお答えします!

LLDとHDPE、それ何?と思われる方はこちらをご覧ください⤵

ずばり!:同じ厚みなら、価格は「変わりません」!

いきなり結論から言っちゃいますね。 LLDPE(ツルツルした素材)でも、HDPE(シャカシャカした素材)でも、厚みが同じであれば、価格はほとんど変わりません。

しかしすごーく厳密に言えば、違います。調べた小難しいことを述べます。「そんなことどーでもいい」方は飛ばしてください(笑)

結論から申し上げますと、一般的にはLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の方が、キログラム単価(材料そのものの値段)はわずかに高い傾向にあります。特に、「メタロセン系」と呼ばれる強度の高いLLDPEは明確に高いです。

しかし、「同じ厚さ」という条件の場合、HDPE(高密度ポリエチレン)の方が「重い」ため、結果的にコストが高くなるケースもあり得ます。

少し複雑なため、以下の3つのポイントで整理して解説します。


1. キログラム単価(1kgあたりの価格)

市場の需給にもよりますが、一般的な傾向は以下の通りです。

  • LLDPE(特に高機能グレード) > HDPE ≧ LLDPE(汎用グレード)

基本的にLLDPE(特にフィルムに使われる粘り強いタイプ)は、HDPE(スーパーの袋のようなカサカサしたタイプ)よりも若干高いか、ほぼ同等で取引されることが多いです。特に突き刺し強度を高めた「メタロセンLLDPE」などは高価です。

2. 「同じ厚さ」の落とし穴(比重の違い)

これが非常に重要なポイントです。プラスチックは**「重さ(kg)」で売買されますが、製品は「面積(m²)」**で計算されることが多いからです。

  • HDPEの比重: 約 0.94 ~ 0.96 (密度が高い=重い)
  • LLDPEの比重: 約 0.91 ~ 0.92 (密度が低い=軽い)

同じ厚さ・同じ大きさのシートを作った場合、HDPEの方が密度が高いため、重量が約3~5%重くなります。

もしキログラム単価が同じであれば、HDPEの方が材料を多く使う(重くなる)分、1枚あたりの原価は高くなります。LLDPEの方が単価が少し高くても、軽さで相殺されて、製品コストは変わらない、あるいはLLDPEの方が安く済む場合さえあります。

3. 用途による「価値」の違い

どちらが高いか(高級か)は、その用途によって決まります。

特徴HDPE (高密度)LLDPE (直鎖状低密度)
質感硬い、カサカサ音、白濁柔らかい、伸びる、透明~半透明
強み引っ張り強さが強い(伸びにくい)
薄くてもコシがある
突き刺しに強い、シール(接着)性が良い
粘り強く破れにくい
主な用途スーパーのレジ袋、極薄ポリ袋米袋、冷凍食品の袋、ストレッチフィルム
同じ厚さならより硬く、丈夫に感じるよりしなやかで、破れにくい

まとめ

  • 材料単価(kg)で見れば: LLDPEの方が高いことが多い(グレードによる)。
  • 製品コスト(1枚)で見れば: HDPEは重くなるため、コスト差は縮まるか、逆転することもある。

結論として:

もしあなたが「高性能なフィルム」を探しているなら、高機能なLLDPE(メタロセンなど)が最も高いです。

しかし、一般的な汎用グレード同士で比較する場合、価格差は微々たるものであり、「硬さが欲しいならHDPE、粘りが欲しいならLLDPE」という特性で選ぶべきです。

なぜ「HDPEが安い」と言われるのか?

話を元に戻しますと

お客さん
お客さん

え!HDPEはコスト削減にって聞いていますけど・・・

素材そのものの価格(キロ単価)は、実はそれほど大きな差はありません。 ではなぜ「コストダウンならHDPE」と言われるのでしょうか?

それは、HDにして「薄くできるから」なんです。

1. 「薄さ」がコストの正体

ポリ袋の価格は、基本的に「重さ」で決まります。 今まで厚さ0.03mmのLLDPEを使っていたとして、それを0.02mmのHDPEに切り替えたとしましょう。

  • 0.03mm0.02mm (薄くなる!)
  • 薄くなる分、使う原料が減る
  • 結果:1枚あたりの価格が下がる!

これが「コスト削減」の正体なんです。

2. ただ捨てるだけのゴミ袋、お金をかけたくないですよね?

正直なところ、ゴミ袋は捨てるためのもの。「一円でも安くしたい」というのが本音ではないでしょうか?(私もそうです!笑)

でも、ただ薄くするだけでは問題が起きます。 「薄くする」→「強度が落ちる」→「破れてゴミが散乱!」 これでは元も子もありませんよね。大惨事です。

そこで重要になるのが、「薄くても強い素材を選ぶ」という技術なんです。

西川善(株)が提案する「薄くても強い」3つの秘策

私たちのようなポリ袋メーカーや販売店は、ただ薄くするだけでなく、お客様の使い勝手を守るためにいろいろな試行錯誤をしています。 コストを下げつつ強度を保つための、プロのテクニックを3つご紹介しますね。

① 素材をHDPE(高密度ポリエチレン)に変える

HDPEは、スーパーのレジ袋のような「シャカシャカ」した素材です。この素材は**「引っ張る強さ」**に優れているため、LLDPE(ツルツル素材)よりも薄くしても、ある程度の強度を保つことができます。 「中身が重いけれど、突起物はない」という場合は、HDPEに変えて薄くするのが一番の近道です。

② メタロセン配合で強度アップ

「メタロセン」という言葉、聞いたことありますか? これは簡単に言うと、ポリ袋の強度を劇的に上げる魔法のスパイス(触媒)のようなものです。 これを配合することで、薄くても粘り強く、破れにくい袋を作ることができます。

ニコニコばばあ
ニコニコばばあ

上記にもお話ししていますが、メタロセンを配合するとちょっと価格があがります。正直言って、薄くしてその差はどんなものかなと思います。
またまた、正直にに言って(笑)メタロセンがバツグンに強くなった!という感じはありません。「そう言えば、ちょっと強いかな?」ぐらい?
メーカーさんには内緒よ(^^♪

でも、最近は多いです「メタロセン配合」。きっと、効果があるのかな?

③ 複合素材(多層構造)で「いいとこ取り」

それほど商品は多くありませんが 2層や3層のサンドイッチ構造にする技術です。

といった具合に、複数の素材の「いいところ」を組み合わせることで、薄いのに強い袋が出来上がるんです。こちらも単品で構造するよりコストはかかります。

コストを下げる一番の近道は?

結論として、コストを下げるためには「(強度を保てる範囲で)薄くすること」!

当たり前だよ!長々と説明して・・・

叱られるばばあ

ごめんなさい!これが一番の真理です(笑)。

コストばかりではない

コストを下げるのは当然ですが、使う人が一番変化をわかっています。ある程度まで納得のいく範囲でのコスト削減がいいかと思います。

こんなことや

袋が破れて困っている事務員

イメージダウンにつながらないように・・・

ホテルのごみ袋に不平をいう客

でも、一度試してみるのもいい。ダメなら元にもどせばいい。

「ウチのゴミにはどの素材が合うの?」「限界まで薄くしたいけど破れるのは怖い」といったお悩みもあると思います。

そんな時は、ご相談ください。 創業からの知識と経験で、御社にぴったりの「安くて強い袋」をご提案させていただきます。

ニコニコばばあへのご質問も大歓迎ですよ~!