電池なしでなぜ光る?反射材の原理「再帰反射」と反射材の種類

西川善株式会社で経理とウェブを担当しております、ニコニコばばあでございます。この度も、私の「独り言」にお付き合いいただきありがとうございます。

突然ですが、夜道で車のライトに当たると、ピカッと光る反射材。「電池も入れていないのに、なぜあんなに明るく光るのかしら?」と不思議に思ったことはありませんか?

あまり身近に使っているので、反射材について詳しく調べたことはなかったのですが、反射材を販売していからには、ちゃんと理解をしておかなければと勉強しました。

今回は、反射材が持つ特別な能力、「再帰反射(さいきはんしゃ)」の仕組みについて、皆様にも分かりやすく、そして詳しくご説明させていただきます。また反射材の説明によくある「ガラスビーズ反射」と「プリズム反射」についても説明します。交通安全や防災に欠かせない反射材の秘密を知って、日々の生活にお役立にたてばうれしいです。

反射材って電池もいれてないのに何故光るのでしょうか?

このように反射材は、光を当てていないときは主にグレーの色をしていますが、光を当てるとライトのように反射して光ります。

光を当てた時と、当てなかった時の比較

反射材の特性について(サンエス技研のカタログより)

反射材は「再帰反射」という特質を持つ素材を使用しています。

再帰反射とは光がどの方向から当たっても光源に向かってそのまま反射するように工学的に工夫された反射方法です。

再帰反射とは何でしょうか?

これは、「光がどの方向から当たっても、その光を光源(光を発した場所、つまり車や自転車のライトなど)に向かってそのまま正確に反射し返す」ように、工学的に工夫された反射方法のことを言います。

普通の鏡や白い壁は、光が当たると、あらゆる方向に光を散らして反射します(これを「拡散反射」と言います)。そのため、光を当てた本人から見ると、光が弱く見えたり、まぶしすぎたりします。

しかし、再帰反射材は、光を当てた車のドライバーの目に、その光をまっすぐ跳ね返すため、ドライバーからは反射材が非常に明るく、はっきりと見えるのです。

ニコニコばばあ
ニコニコばばあ

なーるほど!

光をそのまま反射するので光ってるわけではないのですね!

だから、「車からはよく光っているように見えるけど、自分から見るとそれほどでもない」と感じる時があるのは、この再帰反射の原理だったのですね。ドライバーの安全のために、理にかなった仕組みだわ!

反射材の主な種類:「ガラスビーズ反射」と「プリズム反射」

では、「ガラスビーズ反射」「プリズム反射」の違いは?

ガラスビーズ反射の原理のイラスト

原理: 光が小さなガラスの粒(ビーズ)を通過し、その裏側にあるアルミ蒸着面などで反射します。このビーズがレンズの役割を果たし、光を元の方向へ戻します。

特徴:

  • 一般的にグレーやシルバーのものが多く、衣類や靴、安全ベストなど、曲面に加工しやすい柔軟な素材によく用いられています。
  • 価格が比較的安価で、幅広く普及しています。

《使用例》

ガラスビーズ反射の使用例
プリズム反射の仕組み

原理: 光が、微細な三角形の角(プリズム)で構成されたシートの裏側の面で反射します。このプリズムの角度を精密に設計することで、より強力に光を再帰させます。

特徴:

  • ガラスビーズ反射に比べ、反射輝度(明るさ)が非常に高く、遠方からの視認性に優れています。
  • 主に道路標識や規制標示、反射力の強さが求められる高規格な交通安全用品に使われます。

《使用例》

プリズム反射の使用例
ニコニコばばあ
ニコニコばばあ

わかるようなわからないような・・・・

使われているものを見るとわかりますね。

ガラスビーズ反射はグレー色のものが多いですがプリズム反射は色がきれいですね。

番外編:「蓄光」とは?

反射材とよく間違われるものに「蓄光(ちっこう)」があります。これは反射とは全く異なる原理です。

ニコニコばばあ
ニコニコばばあ

「蓄光」とは明るい時、紫外線をため込んで、暗くなったらその光を放出する特殊な反射方法です。

光源のない場所でもぼうっと光ります。

蓄光のキーホルダー
蓄光反射キーホルダー

蓄光の原理: 明るい場所で太陽光や照明の紫外線をエネルギーとして溜め込み、暗くなると、そのエネルギーをゆっくりと光として放出する特殊な素材です。

特徴:

  • 光源が全くない場所でも、ぼーっと光ります。
  • 主に、避難誘導標識や防災グッズ、暗い場所で目印にしたいものなどに利用されます。

反射材は光が当たらないと光りませんが、蓄光材は自ら光るという点が大きな違いです。

もう少しプリズム反射とビーズ反射を掘り下げてみました⤵